キャベツの食べ過ぎは体臭悪化につながることをご存知ですか?
キャベツは、美容に重要なビタミンCや食物繊維が豊富に含まれており、さらに低カロリーであるため健康維持やダイエットに向いている食材です。しかし、過剰摂取してしまうことにより発生する問題もあるのです。
この記事では、理化学研究所敷地内の研究施設で体臭研究をしつつ、これまでに5,000人以上の体臭評価・アドバイスを行ってきた臭気判定士(においに関する唯一の国家資格)の石田翔太がキャベツの食べ過ぎによる「体臭悪化の原因」「体臭以外に発生する問題」について詳しく解説します。
キャベツの食べ過ぎによる体臭悪化の原因
ヘルシーなイメージがあり、栄養素も豊富なキャベツですが、食べ過ぎてしまことで思わぬ体臭を発生させることがあります。
キャベツの食べ過ぎによる体臭の原因は、アブラナ科のもつ3つの臭気物質です。
①イソチアシアネート
汗とともに体外へ排出される、塩素のような臭いを発する硫黄系化合物です。
アブラナ科の野菜にはグルコシノレートという成分が多く含まれますが、噛む、切る、すりおろすなどの工程を踏む段階で野菜の細胞壁が壊れイソチアシアネートが生成されるのです。
②インドール
香料として利用されたり、脂質の代謝を促し脂肪肝を防ぐ役割を担うため健康効果が高い成分とされています。
その一方で、排泄物の臭気成分の一種でもあります。
③含硫アミノ酸
空気や水分の出入り口である気孔を狭めることで、キャベツの葉が黄色くなったり、壊死させてしまう黒斑細菌病の予防に効果的とされている成分です。
ただし、人間の体内で消化される際に独特なニオイを発生させてしまいます。
キャベツの食べ過ぎにより発生する体臭以外の問題
ここでは、キャベツの食べ過ぎによって起こり得る体臭以外の問題を3つ紹介します。
消化器系の不調
食物繊維には水に溶けやすい水溶性食物繊維と、水に溶けにくい不溶性食物繊維があります。キャベツは水溶性食物繊維が多く含まれていますので、食べ過ぎると便秘や消化不良による下痢症状を引き起こす場合があります。
そして消化に時間がかかる食物繊維は、体調や体質によっては消化不良を引き起こしてしまう恐れもあります。
栄養バランスの偏り
多くの栄養素が含まれるキャベツですが、不足している栄養素もあります。
- 豊富:ビタミンC、ビタミンA
- 不足:カルシウム、鉄分
ヘルシーなイメージ、低カロリーであるからといって、美容やダイエット目的にキャベツばかりを食べ過ぎてしまうと、体に必要とされる他の栄養素を吸収できず、思わぬ体の不調を引き起こす可能性があります。
おならの増加
キャベツから生成されるイソチアシアネートは、腸内で分解された際にニオイが発生するとともに、体積が増加します。
そしてそのガスの増加により、お腹の張りや膨満感を感じる場合があります。
キャベツの1日の適量は?
厚生労働省|健康日本21(栄養、食生活)では、1日あたりの野菜摂取量の目安は350gとされています。
カルシウムの観点から、緑黄色野菜の目安量は120gとされているため、淡色野菜であるキャベツの摂取目安量は230gとなります。
まとめ:食べ過ぎに気をつけながらキャベツを摂り入れよう
最後までお読みいただきありがとうございます。
この記事では、キャベツの食べ過ぎによる「体臭悪化の原因」「体臭以外に発生する問題」について解説してきました。
キャベツにはビタミンCや食物繊維など、多くの栄養素が含まれており、健康維持やダイエットにも向いている食材です。
ただし、食べ過ぎには要注意です。キャベツだけに偏ることがないよう、様々な野菜を摂り入れましょう。体臭の悪化や消化器系のトラブルなどのデメリットを考慮すると、1日1/4玉程度を目安として摂取することがおすすめです。
この記事が皆様の疑問やご不安解消のお役に立てば幸いです。