この記事を見つけてくださった方の中には、うんこの匂いの体臭でお悩みの方もいるのではないでしょうか。
うんこの匂いの体臭は病気のサインである可能性もあります。
本記事は、理化学研究所敷地内の研究施設で体臭研究をしつつ、これまでに5,000人以上の体臭評価・アドバイスを行ってきた臭気判定士(においに関する唯一の国家資格)の石田翔太が「体臭がうんこの匂いに?原因と対策」について解説します。
体臭がうんこの匂いになる原因は便秘
体臭がうんこの匂いになる原因は便秘であると考えられます。
便秘になると、自律神経が乱れ全身の血行が悪くなることで肌荒れを引き起こしたり、腹部の張りや食欲不振、吐き気、めまい、血便の症状が出るなど、体臭の他にも体に様々な影響を与えます。
また、便秘を放置すると、腸内環境の悪化や、免疫力の低下、大腸がんのリスク増加などが起こり、健康に悪影響を及ぼすでしょう。
便秘の原因
それでは、便秘になる原因は何なのでしょうか?
実は便秘の原因は様々です。また、便秘の原因は一つではなく、複数の原因が合わさっていることもあります。
ここでは便秘の原因を紹介していきます。
運動不足
便秘の原因の一つに運動不足があります。運動不足によって、腸内の蠕動(ぜんどう)運動が促されず、腸内に便が留まってしまいます。
腹筋力の低下
腹筋力の低下も便秘に繋がります。おなか周りには、横隔膜・腹横筋・腹斜筋・腹直筋があり、これらを動かすことで腸の蠕動運動は促されます。
これらの筋力が低下することで、腸の働きも下がってしまい、便秘の原因になると考えられます。
水分・食物の摂取不足
水分・食物を摂取することで、腸が刺激され蠕動運動が活発になります。
そのため、水分・食物をあまり摂らないでいると、蠕動運動が促されず便が腸内に滞ってしまうでしょう。
極端なダイエット
極端なダイエットにより食物、水分の摂取量が減ると、前述の通り便秘の原因になります。
ストレス
ストレスを感じると自律神経が乱れ、腸の動きが鈍くなってしまいます。これが便秘に繋がることも考えられます。
消化器の疾患
また、便秘を引き起こす消化器疾患に過敏性腸症候群、大腸がんなどがあります。
そのため、ご自身が便秘であって、ここまでにご紹介した原因に心当たりがない場合は、一度消化器科を受診することを検討してみるのも良いでしょう。
便秘がうんこの匂いの体臭につながる理由
ここでは、便秘になるとうんこの匂いの体臭が発生する理由をご紹介します。
便秘になると、腸内の善玉菌が減少し、悪玉菌が増殖します。
悪玉菌は、腸内に溜まった便を分解する(=腐敗させる)際に、臭気物質(硫化水素、インドールなど)を生成します。そして、これらの臭気物質は、腸壁から吸収され、血液中に流れ込みます。
さらに血液に乗って腸から全身に運ばれた臭気物質は、汗や呼吸などを通じて体外に排出されます。
これらの臭気物質が体外に排出される際に、独特の臭いを発生させ、うんこの匂いの体臭の原因になることが考えられます。
うんこの匂いの体臭を引き起こす便秘の改善方法
前述の通り、うんこの匂いの体臭を引き起こす原因は便秘にあります。
便秘の改善を適切に行うことで、うんこの匂いの体臭を改善できる可能性が高まります。
ここでは便秘の改善方法を解説していきます。
食生活の改善
食生活に問題がある場合、その見直しにより便秘の改善が期待できるでしょう。
- 水分をとる:水分不足は便秘の一因となります。こまめに水を飲むことで、便を柔らかくし、排便をスムーズにします。
- 食物繊維をとる:ごぼう、ほうれん草、リンゴなど、食物繊維が豊富な食品は、腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にし、便通の改善に貢献します。
- 発酵食品をとる:ヨーグルト、キムチ、納豆などの発酵食品に含まれる乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌は、腸内環境を整え、便秘解消に貢献します。
- 朝食をとる:朝食と便秘の関係は深いと言われています。朝食をとることで、腸が刺激され蠕動(ぜんどう)運動が活発になり、排便がスムーズになります。
運動の習慣化
ウォーキング、ヨガ、軽いジョギングなど、軽い運動は腸の蠕動(ぜんどう)運動を促し、便秘解消に貢献します。
また、運動には自律神経のバランスを整える効果もあります。腸の動きはリラックス時に高まるので、運動を習慣化するよう心がけましょう。
生活習慣の改善
便秘を解消するには、生活習慣を整えることも重要です。
ストレスは、自律神経のバランスを崩し、腸の働きを抑制する可能性があります。ストレスを溜めないように、リラックスできる時間を作ったり、趣味や好きなことをしてストレスを発散させましょう。
また、睡眠不足はホルモンバランスを乱し、便秘を引き起こすことがあります。質の高い睡眠を十分とるように心がけましょう。
便秘薬の服用
上記の方法を試しても改善しないという方は、便秘薬を服用するのも手段の一つです。
便秘薬は大きく分けて刺激性下剤と緩下剤の2つに分類されます。
刺激性下剤は腸の動きを活発にする作用があり非常に強力ですが、依存性があり毎日使うと効果が低下するといわれています。
緩下剤は便を柔らかくする作用があるもので、比較的自然な排便を促します。
効果の違いを知り、自分に合った便秘薬を使用しましょう。
マッサージ
便秘を改善する方法にマッサージも有効です。
お腹周りのマッサージは、腸を刺激し蠕動(ぜんどう)運動を活発化させ、排便をスムーズにさせます。
マッサージをする時は、腸の形に沿って優しくほぐしましょう。
また、夜寝る前や朝起きた後、もしくはお風呂でマッサージを行うとより効果的です。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます。
この記事では、体臭がうんこの匂いになる原因とその対策を解説しました。繰り返しになりますが、便秘の解消がうんこの匂いの体臭を軽減する近道です。
また、長期間便秘が続く場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
この記事が皆様のお役に立てば幸いです。