体臭や口臭は誰にでもあるもの。しかし、その臭いの強さは病気や体質、食べものの嗜好などによって大きく変わります。
とくに口臭の場合は、虫歯や歯周病などの口の中が原因の場合や、内臓系の疾患によるものなら、すぐに治療を開始する必要がありま。
また健康な人でも、口臭が強くなる時間帯や時期があることも知っておきたいポイントです。
少しくらいの口臭は誰にでもある
キス・ハグの文化がある外国人の人々は、口臭がしないよう消臭に務めるのがエチケット。
しかし欧米人に比べて日本人はそういった文化がないためか、まだ口臭についての認識が甘いようです。
しかし、近年「スメハラ」という臭い問題が認知されるようになり、日本でも口臭についての世間の反応が敏感になってきています。
いつも臭う?口臭の発生原因
口臭については、上記のような普通の生理的口臭のほか、臓器由来の病的口臭、食べものに由来 するものに分類できます。
唾液の分泌量が減ったため
口臭が強くなる主な原因は、唾液が少なくなること。
口の中にはたくさんの細菌が存在していますが、唾液にはそれらの繁殖を抑える成分が含まれているからです。
そのため、例えば寝起きや、睡眠不足のときには臭いが強くなりますし、女性の場合はホルモンバランスが崩れ、自律神経が乱れる生理中の時期などにも、唾液の分泌量が減り、また体温も上がるため口臭がきつくなります。
また、加齢により唾液腺の機能が低下し唾液の分泌量が減るため、体臭と口臭が同時に強くなったと感じるケースもあります。
これらは人間の生理現象なので、ある意味仕方がないこと。
「口が臭いと思われたらどうしよう」と悩むよりは、そのケアを考えたいものです。
虫歯や歯垢が原因
口内の原因で考えられるのは、虫歯や歯周病により口臭が発生しているケース。
特に30代以降に気をつけたいのは歯周病です。
10代、20代に比べて免疫力が下がってくる年齢のため症状が進行しやすいのです。
また、歯周病は罹っても痛みがないため気付いたら歯周病だったというケースも。
症状の進行具合によっては、最終的に歯を失うだけでなく、歯周病菌が血液中に入り、心臓や腎臓などの臓器に悪影響を及ぼすことが明らかになっています。
また、病的とまではいえないものの、舌苔と呼ばれる舌の粘膜上部に蓄積した汚れを口内細菌が分解することで発生する口臭もあります。
内臓や耳鼻科系
一方、内臓や耳鼻科系の病気により発生する口臭は1割程度ですが、胃腸の消化不良や蓄膿症、最悪の場合は糖尿病や胃がんの可能性もあります。
虫歯や歯周病と同様、これらを放置したままだと病気が進行し、臭いだけではなく、痛みを感じて治療のための経済的な負担まで発生してしまうので、それとわかればすみやかに歯科や内科で治療を開始することが大切です。
食べ物が原因
口臭の直接的な原因としては、食べ物から発生する臭いが挙げられます。
野菜ではニンニクやニラ、ネギのほかキムチなど。
健康のためには非常にいい食品なのですが、刺激臭がする「硫化アリル」が含まれているため独特の青臭さが漂ってしまいます。
飲物ではアルコールのほか、コーヒーも粒子が小さいため歯茎や舌苔に残って口臭に。
また食べ物ではないですがタバコも喫煙後2時間近くも呼気からニコチン臭がするので注意が必要です。
便秘や腸内環境の悪化
腸内環境が悪化すると、スムーズに排便が行われずに不要なものが残ったままとなり、便の悪臭度合いが強くなります。
また腸内の悪玉菌も増えて腸内環境をますます悪くしてしまいます。
腸内で発生した悪臭成分は、体内に吸収され血液を通じて全身をめぐり、肺から口臭として、汗腺からは体臭として排出されてしまいます。
▼酸っぱい臭いやたまねぎのような臭いなど22種類の臭いの印象から原因を確認する方法は下記の記事で紹介しています。
口臭予防の具体的な方法
正しい歯磨き法
歯ブラシの使い方が悪いと歯垢が残ってしまい、それが歯周病や虫歯の原因となります。
歯科医院で歯科衛生士の指導を受け、自分にあった適切な歯みがきの仕方を教えてもらいましょう。
また歯間ブラシやデンタルフロスも併用することで、歯や歯肉付近の雑菌を取り除くことができます。
唾液不足を避けるには
口臭の原因となる細菌はたくさんありますが、それらを繁殖させないために、唾液がしっかりと分泌される状態であることが重要です。
唾液は口腔内の洗浄・殺菌作用も果たしているからです。
水分不足や口が乾くことも口の中に細菌を繁殖させる原因となります。
マッサージで唾液を補う
耳たぶの下あたりの顎の内側をマッサージすることにより、唾液腺が刺激され唾液が湧出するようになります。
口が乾いているなと感じたら、マッサージしてみてください。
まとめ
基本的な口臭対策を紹介しましたが、やはり原因の多くは歯周病などの口腔内にあることから、お口のケアをしっかりと行うことが重要といえそうです。
▼ワキガ臭や加齢臭、ミドル脂臭など主要な8種類の体臭の特徴と確認方法を解説します。