- くしゃみがくさい
- 何が原因でそう感じるの?
- くしゃみがくさい時の改善方法が知りたい
この記事を見つけてくださった方の中には、このような不安や疑問をお持ちの方が多いのではないでしょうか。
くしゃみは、体内に侵入したホコリなどの異物を体の外へ追い出そうとする生理現象のひとつです。しかし、様々な要因が重なることでくしゃみがくさいと感じる場合があるようです。
本記事では、理研科学研究所敷地内の研究施設で体臭研究をしつつ、これまでに5,000人以上の体臭評価・アドバイスを行ってきた臭気判定士(においに関する唯一の国家資格)の石田翔太が「くしゃみがくさいと感じる原因」とその「改善方法」について解説します。
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くしゃみがくさい原因は”臭い玉”にある
くしゃみは当然ながら、空気中に唾液が飛沫として飛び散るため、臭いを気にされる方も少なくないでしょう。
くしゃみをすることでいつもより臭いが気になる場合は、臭い玉ともいわれる膿栓という出来物が喉にあり、異常が起こっている可能性が考えられます。
ここからは、臭い玉が発生する原因について詳しく見ていきましょう。
”臭い玉”とは?
臭い玉とは、膿栓と呼ばれる扁桃腺のくぼみにできる小さな白い出来物のことです。これは「においだま」・「くさいだま」とも呼ばれます。
扁桃腺には、細菌やウイルスが体内へ侵入することを防ぐ免疫機能(リンパ球)があります。このリンパ球によって防がれた細菌やウイルスの死骸が扁桃腺のくぼみに溜まっていくことで、食べ物のカスなどと一緒に口内で蓄積され、膿栓が発生します。
膿栓を潰すと強烈な臭いを発して、口臭の原因にもなります。強烈な臭いとは、一体どのような臭いを指すのでしょうか。
膿栓に含まれる臭気物質
膿栓は通常1ミリ程度ですが、大きいものですと5ミリを超えることもあり、潰したり、咳をした際などに強烈な臭いを発します。
その臭いは「ドブのような」、「下水のような」と例えられる悪臭を放ちます。そのうち特に悪臭を放つとされている、膿栓に含まれる臭気物質を3つご紹介します。
硫化水素
硫化水素は、ドブ川やヘドロ、側溝などの嫌気的環境下を主として発生し、日常的に接する機会の多い悪臭成分です。
食べ物では玉ねぎやにんにく、ニラなどを過剰摂取した際に、硫化アリルやアリシンと呼ばれる硫黄化合物を腸内で分解する途中に硫化水素が発生します。
メチルカプタン
2つ目のメチルカプタンは、前述の硫化水素よりも臭気が強い物質とされていて、環境保護対策として制定された悪臭防止法や大気汚染防止法でも規制物質・特定物質として指定されています。
「玉ねぎが腐ったような」臭いとして知られている臭気物質です。その強い成分は、口臭の原因となるだけではなく歯周病を悪化させる要因とされています。
スカトール
3つ目のスカトールは、動物の糞などに含まれる臭気物質で、「カビのような」臭いとされる不快な臭いを放ちます。硫化水素と同様、ネギ類やタンパク質を含む肉を過剰摂取することで、腸内で分解、腐敗される際にスカトールが発生します。
膿栓ができやすい人の特徴
膿栓とは、免疫機能が働いているからこそできるものですので、臭い玉自体が病気であるということではありません。
ここからは、膿栓ができやすい人の特徴についてご紹介していきます。
食生活の乱れ
フライドポテトや唐揚げ、スナック菓子などの揚げ物は高脂肪であり消化に時間を要します。そのため、口内や喉を乾燥させやすく、その環境下で細菌が繁殖してしまい、膿栓が発生しやすくなってしまうのです。
膿栓ができやすいからといって、好きなものを我慢することはストレスにも繋がります。食事の際はできるだけよく噛むことを意識して、唾液を分泌させて口内を潤すようにしましょう。
口内環境が不潔になっている
膿栓ができやすい人の特徴の2つ目に、食後の歯磨きやうがいをせずに長時間が経過してしまっていることが挙げられます。
そのように口内が不潔のままになっていると、唾液の分泌が減り、口が乾きやすくなります。口内の食べカスがなるべく残らないよう、歯磨きやうがいを徹底しましょう。
膿栓の取り方
膿栓を取りたい場合は、うがいをしたり綿棒を使ってくぼみのあたりを軽く押し当てることでポロッと取れる可能性があります。
ですが、無理に力づくで取ろうとすると口内を傷つけてしまい、さらに悪化させてしまう可能性があるため、引っ掻き回す取り方はおすすめできません。
膿栓ができる場所は、咽頭という喉の奥になるため、数が多かったり大きかったりして気になるようでしたら歯科ではなく耳鼻咽喉科を受診することもおすすめです。
膿栓の改善方法
口呼吸やそれにより乾燥するドライマウスは臭い玉を増殖させる一因となります。口内の乾燥をできるだけ防ぐために、こまめな水分補給を心がけたり、うがいをしたりすることが改善に繋がります。
うがいは、喉の奥の方に水が届くように意識するとよいでしょう。
膿栓以外で考えられるくしゃみがくさい原因
ここまでは膿栓が原因として考えられるくしゃみがくさい理由を解説してきました。
ここからは、膿栓以外で考えられるくしゃみがくさい原因をご紹介します。ご自身に当てはまる項目がありましたら、改善方法もご紹介しますのでぜひ試してみてください。
長時間マスクを着用している
くしゃみが臭く感じる原因に、長時間マスクを着用しているケースが考えられます。
口と密着しているマスクは、細菌やウイルスなどの侵入を防いでくれる役割を果たしますが、その分唾液や皮脂などの汚れも密着したままの状態が続いてしまいます。長時間着用していることで臭いを感じやすくなっている状況で発せられるくしゃみは、さらに不快な臭いを感じさせる原因です。
さらに、長時間マスクをしていると高温多湿な状態なため細菌が繁殖しやすくなります。臭いが気になる際は、こまめに取り替えることが重要です。
口内細菌が増殖している
口内にはまだ名前がついてないものを含めて約700種類もの細菌が生息しています。
胎児の口内は元々無菌ですが、出生直後から乳歯が生える頃には細菌のバランスが決まります。唾液の洗浄や抗菌作用、毎日の歯磨きにより細菌数は抑えられますが、口内を不潔にしている状況が続くと細菌が繁殖しやすくなります。
口内の衛生環境が悪くなるとその分細菌への働きに変化をもたらし、口の中だけではなく全身まで影響を与える可能性があるため注意が必要です。
副鼻腔の感染
最後に考えられる原因として、鼻や副鼻腔の感染が挙げられます。
細菌やウイルスより感染し、鼻腔に広がってしまうとくしゃみをしたときに臭いと感じることがあります。副鼻腔に溜まった膿は時間とともに悪臭を放ち、その臭いは「魚のような」、「生ゴミのような」臭いと表現されています。
膿の臭いは基本的には自分しか感じませんが、重度になると口臭として発生する可能性もあります。
くしゃみがくさい時の改善方法
ここからは、くしゃみがくさい時の改善方法をご紹介します。
簡単に行えるものが多いため、くしゃみをした時の臭いが気になる方はぜひ取り入れてみてください。
口内を清潔に保つ
口内を清潔に保つことで、心地よさだけでなく生活の質や、全身の健康維持、そして向上に繋がります。
そのため、健康的な日常を送るために必要といえます。
こまめな水分補給
こまめに水分補給をすることは、くしゃみがくさい状態を改善してくれます。
なぜなら、水分を補給することで、唾液の分泌が行われるからです。唾液は口腔内のバランスを保ち、細菌の繁殖を抑制する役割を果たします。また、こまめに水分補給をすることで口腔内に残った食べカスを洗浄することができるため、細菌の増殖や虫歯のリスクを軽減し、清潔に保つことができるのです。
乾燥も防いでくれるため、歯周組織の血行を促してくれるため、おすすめの方法です。
正しい歯磨き法
適切な歯磨きをすることは、口腔内を清潔に保つ上でとても大切なことです。
虫歯や歯周病のリスクも軽減できることから、少なくても朝晩の1日2回は行うとよいでしょう。抑えておきたいポイントとしては、歯垢(プラーク)をしっかりと取り除くことです。歯垢(プラーク)とは、生きた細菌の塊です。乳白色で舌で触るとざらざらとしています。歯と同じような色をしているため、磨き残しには注意が必要です。
歯と歯の間や、歯と歯茎の間などにできやすいため、意識的に磨き上げることが重要です。そして、「食事をしたら歯磨きをする」という習慣付けも、口腔内を清潔に保つために大切です。
うがいをする
口内を清潔に保つ方法として、うがいも挙げられます。
うがいには2種類の方法があります。喉の奥を洗う目的で、上を向いて行う「ガラガラうがい」と、口を閉じたまま行う「ブクブクうがい」です。
うがいは、口内に残った食べカスや溜まった粘液などを排出してくれるため、口腔内を速やかに清潔にしたいときにおすすめの方法です。唾液腺を刺激するため自然な唾液分泌を促してくれる効果もあるため、ぜひ試してみてください。
耳鼻咽喉科の受診
上記までの方法を試しても、良い結果が得られなかった場合は、耳鼻咽喉科を受診することもひとつの手です。
なぜなら、副鼻腔の感染や喉の異常が原因でくしゃみが臭くなっていることも考えられるためです。膿栓ができている場合は耳鼻咽喉科で取ってもらうなど、原因疾患に向き合うことが大切です。
耳鼻咽喉科では膿栓に対して専用の機器で水圧をかけて洗い出したり、吸引して取り出したりする方法があります。他の方法で効果が得られなかった方は、ひとつの方法としてご自身にあった病院を選び、受診してみてください。
くしゃみがくさいことに関するQ&A
Q.唾液は臭わないのにくしゃみがくさいのはなぜですか?
A.唾液は、誰しもが少なからず臭いを放っています。口腔ケアをしているのにも関わらず、くしゃみがくさいと感じる場合は、鼻や副鼻腔に感染が見られる可能性がありますので、耳鼻咽喉科を受診してみることをおすすめします。
Q.くしゃみをすると酸っぱい臭いがします。なぜですか?
A.くしゃみをしたときに酸っぱい臭いがする場合は、逆流性食道炎である可能性が考えられます。逆流性食道炎とは、食べ物が胃で胃液により消化されている途中に食堂を逆流してしまう病気です。胃液が上がってくるため、くしゃみをした際に酸っぱい臭いが一緒に上がってきているかもしれません。
一度適切な病院に診てもらいましょう。
まとめ:くしゃみがくさい原因を突き止めよう
最後までお読みいただきありがとうございます。
本記事では、くしゃみがくさいと感じる原因と、その改善方法について解説してきました。まずはご自身でどの原因が考えられるかを突き止め、それにあった改善方法を試してみてください。
この記事が皆様のご不安解消に繋がりましたら幸いです。