プロテインを過剰に摂取すると、タンパク質の分解過程で発生するアンモニアや硫化水素などの悪臭成分が血液を巡り、息に混ざることで口臭の原因になります。
プロテインによる口臭は、水分や食物繊維を十分に摂取により解消される可能性があります。発酵食品や乳酸菌を取り入れることで腸内環境を整え、悪臭の発生を抑えることも有効です。
本記事では、プロテインによる口臭のメカニズムと、その予防・対策方法について詳しく解説します。
本記事は、理化学研究所敷地内の研究施設で体臭研究をしつつ、これまでに2,000人以上の体臭評価・アドバイスを行ってきた臭気判定士(においに関する唯一の国家資格)の石田翔太が「プロテインによって発生する体臭の原因・種類・対策方法」を徹底解説したものです。
▼体臭全般に関する内容を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
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そのような方に向けて、この記事では、体臭の種類別に原因を解説しました。
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【予備知識】プロテインの種類
プロテインと体臭の関係を知る前に、まずは予備知識として「プロテインの種類 」を把握しましょう。
単なる「プロテイン」というくくりだけでなく、プロテインの種類も体臭と関係があるためです。
- ホエイプロテイン
- ソイプロテイン
- カゼインプロテイン
以下では、主な3種類のプロテインについて解説します。
ホエイプロテイン
ホエイプロテインは牛乳が原料で、ヨーグルトの上澄み液である乳清(ホエイ)から抽出されます。
良質なたんぱく質源であり、必須アミノ酸をバランスよく含んでいる点が魅力です。
また、ホエイプロテインは体内への吸収が早く、運動後の筋肉修復や成長をサポートする効果が期待できます。
ソイプロテイン
ソイプロテインは、大豆を原料とする植物性プロテインです。
大豆は植物性食品のなかでもとくにたんぱく質の含有量が多く、必須アミノ酸も豊富に含んでいます。
また、ソイプロテインに含まれるイソフラボンは、美容や健康をサポートしてくれます。
消化吸収が緩やかであるため、満腹感が持続しやすい点も特徴です。
カゼインプロテイン
カゼインプロテインは、牛乳に含まれるたんぱく質の約80%を占めます。
複数のたんぱく質が結合した構造をもち、チーズの主成分でもあります。
不溶性で消化吸収がゆっくり進むため、満腹感が持続しやすいのもカゼインプロテインの特徴です。
必須アミノ酸の含有量が多く、栄養補給にも役立ちます。
プロテインで体臭や汗の臭いがひどくなる原因
プロテインの摂取によって体臭や汗に影響が出る理由は、主に次の3つです。
プロテインで体臭がひどくなる原因
- アンモニアの発生
- 腸内の悪玉菌の増加
- 皮脂の分泌量の増加
プロテインの過剰摂取はこれらの原因となる可能性があるので、適量を守って摂取しましょう。
アンモニアの発生
プロテイン(たんぱく質)を摂りすぎると、体内ではたんぱく質の分解が促進され、その過程でアンモニアが発生します。
アンモニアは通常、肝臓で分解されて尿として体外へ排出されます。
しかし、肝臓の分解能力にも限りがあるので、大量のアンモニアの一部は分解されません。
体内のアンモニアは、汗や皮脂を通じて体表面に出てくることがあり、それが体臭を強くする要因のひとつです。
腸内の悪玉菌の増加
たんぱく質を過剰に摂取した場合、体内で吸収しきれず、その一部が腸内へ運ばれる場合があります。
たんぱく質は悪玉菌の栄養源となるため、過剰に摂取すると、悪玉菌のはたらきが活発になる恐れがあります。
その結果、悪玉菌が硫化水素やアンモニアなどの臭気を伴うガスを生成し、不快な体臭の一因となる可能性があるのです。
皮脂の分泌量の増加
動物性たんぱく質の摂取は、加齢臭やミドル脂臭の原因となる「皮脂」の分泌を促進する可能性があります。
これらの体臭をとくに感じやすいのは、中高年以上の年代の方です。
中高年以上の方がプロテインを過剰摂取することで、皮脂が増加し、体臭が強まる可能性が考えられます。
プロテインで臭くなる体臭の種類
プロテインの過剰摂取によって臭くなる体臭は以下の4つです。
- 口臭
- 汗臭
- ミドル脂臭
- 加齢臭
通常、加齢臭やミドル脂臭は若い方には発生しにくいものの、プロテインの過剰摂取は、これらの体臭の原因となる可能性があります。
口臭
プロテインの過剰摂取は、腸内の悪玉菌が増える要因のひとつです。
悪玉菌が生成する有害物質は、悪臭を伴うガスとなり、おならとして体外へ排出されます。
しかし、ガスの量が過剰になると、その一部が血液中に溶け込み、体内を巡ることがあるのです。
このガスが肺にまで運ばれ、息と混ざると、便のような臭いの口臭になることがあります。
汗臭
汗は99%が水でできているので、通常は悪臭を発することはありません。
しかし、プロテインの過剰摂取によってアンモニアが通常より多く発生すると、アンモニアが汗に混じって汗臭の原因となります。
ミドル脂臭
「ジアセチル」という物質自体と「中鎖脂肪酸」が混ざることで発生する臭いのことです。
原因物質のひとつである「中鎖脂肪酸」は、皮脂に含まれています。
つまり、ミドル脂臭の原因のひとつは皮脂なのです。
動物性たんぱく質には脂質が多いため、プロテイン(動物性)の過剰な摂取は皮脂の分泌を促し、体臭を引き起こす場合があります。
加齢臭
加齢臭の原因は、皮脂の酸化によって発生する「ノネナール」と「ペラルゴン酸」という物質です。
プロテイン(動物性)の過剰摂取は、加齢臭の原因である皮脂の分泌を促すため、プロテインの過剰摂取が、加齢臭発生の原因となることがあります。
プロテインを過剰摂取するとどんなにおいがする?
プロテインを過剰摂取すると、主に以下の3つの臭いが発生する可能性があります。
- 焦げ臭い・卵が腐ったような臭い
- 脂っぽい臭い・甘酸っぱい臭い
- 酸っぱい臭い・雑巾のような臭い
体臭全般の原因や種類については、以下の記事もあわせてご覧ください。
▼体臭全般の原因や種類を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
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焦げ臭い・卵が腐ったような臭い
疲れたときに感じるツンとしたアンモニアのような体臭は「疲労臭」とも呼ばれ、年齢や性別に関係なく誰にでも起こりうるものです。
アンモニア臭は「焦げ臭い」「卵が腐ったような臭い」と表現されることがあります。
このアンモニア臭は、たんぱく質を多く摂ることでも発生すると考えられています。
このような理由から、プロテインを過剰摂取した場合も疲労臭に近い臭いを感じるケースがあるのです。
脂っぽい臭い・甘酸っぱい臭い
「脂っぽい臭い」や「甘酸っぱい臭い」は「ダイエット臭」と呼ばれるものです。
極端な食事制限を伴うダイエットをしている場合、独特のダイエット臭が発生しているかもしません。
プロテインの過剰摂取は食事制限と組み合わせておこなわれることもあり、これらが総合的にダイエット臭の発生につながっている可能性があります。
食事制限で栄養不足の状態になると、体は基礎代謝に必要なエネルギーを得ようと中性脂肪を分解しはじめます。
この過程で発生する物質によって、独特な臭いが発生するのです。
酸っぱい臭い・雑巾のような臭い
プロテインの過剰摂取によって、皮脂の分泌量が増加したり、腸内環境が乱れたりすると「酸っぱい臭い」や「雑巾のような臭い」を感じることがあります。
通常、汗の臭いは皮膚上の菌が汗や皮脂を分解することで強くなります。
トレーニング中の汗に加えて、プロテイン摂取によって増えた皮脂、そして皮膚や衣服の菌、この3つが要素となり酸っぱい汗の臭いが増強するのです。
プロテインで体臭や汗が臭くならないための対策方法
体臭の臭いがきつくならないためには、以下2つの対策をとってみてください。
- プロテインを過剰摂取しない
- 適切なプロテインの種類を選ぶ
ここまででご説明した通り、プロテインの過剰摂取は体臭の悪化につながります。
しかし、適切な対策をすれば体臭が臭くなるのを防ぐことは可能です。
プロテインを過剰摂取しない
プロテインを摂取する際は、「適量を守ること」が体臭予防の鍵となります。
なぜならば前述の通り、プロテインの過剰摂取はさまざまな種類の体臭の発生を促すからです。
摂取するプロテインの適量は、年齢や体格、運動量など個人差がありますので、ご自身の状態に合わせて摂取量を変えるとよいでしょう。
ご自身の適量を知りたい方は、下記の厚生労働省のサイトを参考にしてみてください。
参考URL:プロテイン(たんぱく質)の摂取目安量について(厚生労働省)
適切なプロテインの種類を選ぶ
ホエイプロテインは牛乳由来のたんぱく質で速やかに消化吸収されるので、運動やトレーニング後すぐにたんぱく質を摂取したい方に最適だとされています。
しかし、いくら消化吸収の速いホエイプロテインでも、過剰に摂取すれば消化に時間がかかってしまい、前述の通り体臭の原因となります。
一方で、ソイプロテインは植物性の大豆タンパク質からつくられたもので、ゆっくりと消化吸収がおこなわれます。
また、動物性のプロテインのように皮脂の分泌を促さないため、皮脂由来の体臭を防ぐことにもつながるでしょう。
プロテインの体臭対策に効果的な食品
ここでは、プロテインの体臭対策に効果的な4つの食品を紹介します。
- クエン酸を含む食品
- ヨーグルトなどの発酵食品
- 食物繊維を含む食品
- 抗酸化作用のある食品
手軽に取り入れられるものも多くありますので、ぜひ試してみてください。
クエン酸を含む食品
クエン酸は臭いを抑える食品のひとつとされており、梅干しやレモン、酢などに多く含まれています。
なかでも梅干しに含まれるクエン酸には、汗の臭いを抑える効果があるといわれています。
これは「抗菌作用」と、菌の増殖を抑える「静菌作用」をもつためです。
毎日の食卓にクエン酸を含む食事を取り入れることで、体臭の原因菌をコントロールしやすくなるでしょう。
クエン酸については以下の記事でも詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。
▼クエン酸で臭いを抑える方法を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
梅干しやレモンなどの食品に含まれるクエン酸には体内の乳酸を分解し、エネルギー代謝を促進する働きがあり、疲労が原因で発生するアンモニア臭を抑えるのに役立ちます。 また、クエン酸は皮膚の汚れを落とし、細菌の繁殖を抑える働きもあり、入浴剤やデオド[…]
ヨーグルトなどの発酵食品
ヨーグルトをはじめとする発酵食品には、体内の善玉菌を増やし、悪玉菌を減らすはたらきが期待できます。
とくに、ビフィズス菌を含むヨーグルトは、腸内環境を整えるうえでも非常に有効です。
また、オリゴ糖はビフィズス菌のはたらきを活性化させるため、ヨーグルトと一緒に摂るとさらに効果が高まります。
発酵食品を積極的に摂り、腸内環境を整えれば、結果的に体臭予防になるでしょう。
食物繊維を含む食品
食物繊維の摂取も、腸内環境をよくするために重要です。
食物繊維は体内で消化されないものの、「健康に必要な成分」として知られています。
水溶性と不溶性に大別され、水溶性食物繊維は血糖値やコレステロールを下げ、不溶性食物繊維にはお通じをよくするはたらきがあります。
さらに、どちらの食物繊維も善玉菌のエサとなり、腸内環境を改善する効果がある点もポイントです。
抗酸化作用のある食品
抗酸化作用のある食品も、加齢臭予防への効果が期待できます。
抗酸化作用のある食品としては、主に以下のようなものが挙げられます。
- ゴマ
- アボカド
- 葉物野菜
- 香味野菜
- 緑黄色野菜
- 大豆製品
- 果物
- 緑茶
- 赤ワイン
とくにゴマは抗酸化作用のあるゴマリグナンが豊富で、1日大さじ3杯ほどのすりゴマ状のものを目安に摂取すると、酸化を抑制しやすくなるといわれています。
酸化によって発生する臭い物質を抑えるために、ぜひ積極的に取り入れてみてください。
プロテインの摂取で臭いが気になるときの体臭対策
ここでは、プロテインを続けながらも嫌な臭いを抑えるための対策方法を5つ紹介します。
- デオドラント用品を使う
- シャンプーやボディーソープを変える
- 洗濯の方法を見直す
- 生活習慣を整える
- 通気性のよい服を着る
体臭のチェック方法や対策については以下の記事でも解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。
▼体臭のチェック方法や対策を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
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デオドラント用品を使う
臭いの発生予防や、消臭機能をもつデオドラント用品を使うことで、体臭ケアができます。
デオドラント用品には、以下のようなタイプがありますので、使いやすい商品を選ぶとよいでしょう。
- スプレータイプ
- ロールオンタイプ
- クリームタイプ
臭いの原因(汗・皮脂・菌など)や、使う部位、肌質などに合わせて選んでみてください。
シャンプーやボディーソープを変える
体臭の種類によってシャンプーやボディーソープを変えることも、有効な臭い対策のひとつです。
たとえば「ワキガには殺菌作用のある成分を配合したもの」のように、用途に合わせて選びましょう。
香りでごまかすのではなく、臭いの発生原因そのものにアプローチする商品を見つけることも重要です。
自分の悩みに合った商品選びと、正しい洗い方を知ることで、より効果的な臭い対策ができるようになります。
洗濯の方法を見直す
体臭対策として見落としがちなのが、衣類の洗い方です。
アルカリ性洗剤や漂白剤を使うと、頑固な皮脂汚れを分解しやすくなります。
また、クエン酸やミョウバンを仕上げに使う方法もおすすめです。
これらの成分が臭いの発生源となる菌を抑制し、衣類に染みついた臭いを軽減してくれます。
生活習慣を整える
体臭は、生活習慣の乱れとも深く関わっています。
十分な睡眠や適度な運動をおこなうことで、皮脂の過剰分泌を防ぎやすくなるでしょう。
食生活では、野菜や果物の摂取を意識し、動物性脂質や油っぽい食べ物の摂りすぎに注意することが大切です。
通気性のよい服を着る
蒸れやすい衣類を身につけていると、汗がこもり、菌が繁殖しやすくなるため体臭が強くなりがちです。
とくに暑い季節やトレーニング時には、吸湿速乾性のある素材のインナーが活躍します。
天然素材の綿や麻、化学繊維のポリエステルなど、季節やシーンに合った衣服を選ぶのも重要です。
通気性のよい衣類を選び、清潔な状態を保つよう心がけましょう。
女性ができるプロテインによる体臭への対処法
筋トレやダイエットのために、プロテインを摂取している女性の方も多いのではないでしょうか。
プロテインを飲むと汗が臭くなるという話を聞き、不安に思われている方もいるかもしれません。
プロテインが体臭に与える影響については前述してきましたが、これは男女共通の現象であり、基本的には性別による差はありません。
しかし、髪の毛が長い場合は後頭部が蒸れやすく、臭いがこもりやすくなります。
汗をかいたら、ボディシートや濡れタオルでこまめに拭き取り、清潔な状態を保ちましょう。
また、髪の毛をアップにし、通気性のよいヘアスタイルにしておくのも臭い対策になります。
プロテインによる体臭も数値化しよう
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まとめ:プロテインによる体臭を気にしなくて済むように
最後までお読みいただきありがとうございます。
本記事では、プロテインが体臭悪化の原因になる理由と、プロテインによって強まる体臭の種類・特徴・対策方法について解説しました。
残念ながら、プロテインの過剰摂取は体臭悪化の原因となります。
しかし、本記事で紹介した体臭対策の方法を知っていれば、過度な心配は不要といえるでしょう。
この記事が、トレーニングや健康維持のためにプロテインを摂取される皆様のご不安解消のお役に立てば幸いです。
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