体臭には、食事やストレスなど生活習慣が原因になるものと、遺伝によるものと2パターンがあります。
後者の遺伝的要因が大きい体臭はワキガ体質とされており、汗腺であるアポクリン腺の数や太さが子孫に伝えられます。
今回は、「体臭×遺伝」をテーマにアポクリン腺の働き、ワキガ体質、臭い対策をご紹介いたします。
▼体臭に関して幅広く知りたい方は以下の記事もご覧ください。
体臭は遺伝によるアポクリン腺に左右される
遺伝形質を受け継いでいるかどうかは遺伝子で決まります。
最近では「遺伝子検査キット」なども開発され、特定の遺伝子を持つ人が将来かかりやすい病気などの研究も進んできています。
体臭も両親から受け継いだ遺伝子によって決まり、両親ともにワキガ体質の場合はその子どもに8割の確率で遺伝。
片方の親の場合は5割が遺伝するとされています。
チェックポイントは耳垢
ワキガ体質が遺伝したかそうでないかは、その人の耳垢が湿型か乾型かによって判定されますが、これが遺伝できまることがわかっています。
アポクリン腺の数が多い耳孔は湿り気を帯びているため、耳垢もベトベトと湿っています。
逆にワキガ体質ではない人の耳垢はカサカサに乾燥している傾向があるようです。
体臭のもとであるアポクリン腺はなぜあるのか
そもそも人間にはなぜアポクリン腺とエクリン腺という二つの汗腺があるのでしょうか?
それは、それぞれの腺から出る汗の役割が違うからなのです。
エクリン腺から出る汗は体温の調節のために使われます。
対して、アポクリン腺から出る汗は臭いを出すことが目的だったのです。
実は動物にもアポクリン腺があり、汗に含まれるフェロモンにより仲間や異性と嗅覚を使ったコミュニケーションをとっています。
太古の昔には人間も嗅覚を使ったコミュニケーションをとっていましたが、文明が発達するにつれてアポクリン腺の機能は退化していき、ただ体温調節のためにエクリン腺のほうは発達していったと考えられています。
しかし、遺伝するといっても人によりアポクリン腺の太さや数には個人差が大きく、また年代や食生活によってもワキガ臭の強さに違いがあるなど、バラつきがあります。
遺伝した体臭を気に病むことはない
日本人は体臭に敏感なために自分の体臭を気にするケースも多いのですが、日本人よりはるかにワキガ体質が多い海外では、「臭いは個性」と割り切り、自分の体臭にあった香水を選び、また1日に何回もシャワーを浴びるなどして対処しています。
ですからワキガであっても、海外の人々のようにプラスにとらえれば、遺伝による「臭い」も「匂い」に転じさせることができるのです。
体臭から良い遺伝子を判断していた?
近年の研究によれば、ヒト白血球抗原「HLA遺伝子(別名:恋愛遺伝子)」の嗅覚実験・分析により、女性は自分の遺伝子パターンからもっとも遠いパターンを持つ男性を好ましいと感じるとの結果が出たそうです。
このことからワキガであっても軽度に抑えられていれば、それは「いい匂い」に転換できる可能性があるともいえるでしょう。
遺伝に負けない! 自分の体臭を少しでも”良く”する方法
ワキガ体質であってもその臭いをできるだけ薄く・軽くするなどの対策を施せば、臭いで嫌われる機会は少なくなるはずです。
まずは基本的な体臭対策
汗が出たらこまめに拭く。
臭いがしみついた衣服はすぐに洗濯をする。
ワキガ臭は衣類のほつれ部分にしみつくため、同じ下着やシャツを長く着続けないことなどを心がけましょう。
また食べ物の要素も重要で、アポクリン腺から余分な脂質を分泌させないよう、肉食や乳製品を食べすぎない食生活を送ることも重要なポイントとなります。
デオドラントを効果的に使用する
制汗剤や消臭スプレー、洗濯の際の柔軟剤も活用してみましょう。
さまざまな種類のものを試してみて、自分の体臭がもっとも「いい匂い」となるものを探すことができれば、臭いをあまり気にせずに過ごせるようになります。
香水と合わせてみる
海外の人々のようにマスキングという手法で、香水と体臭をミックスさせてみるのも有力な方法といえます。
自分の体臭との相性や、香水の強さに加減も必要ですが、うまく合わせることができれば”いい匂い”に転換できるかもしれません。
濃度の低いものから試してみてください。
まとめ
体臭は遺伝するものだけれど、対処法はそれなりにあることがおわかりになったことでしょう。
それでもうまくいかない場合には、体臭外来やワキガ治療を行うクリニックに相談してみれば打開のヒントがみつかるはずです。
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