便秘が原因?体臭との関係と効果的な改善策

便秘による体臭が気になる方に向けて、この記事を書きました。

便秘が続くことで便の臭いや、便のような体臭が強くなる原因は、腸内環境が悪化し、老廃物が体内に滞留することにあります。さらに、それは病気のサインである可能性もあります。

本記事は、理化学研究所敷地内の研究施設で体臭研究をしつつ、これまでに3,000人以上の体臭評価・アドバイスを行ってきた臭気判定士(においに関する唯一の国家資格)の石田翔太が「便秘と体臭の関係と改善策」「病気との関係性」について解説します。

便秘と体臭の関係とは?

便秘が体内に与える影響

便秘は、単に排便が滞るだけでなく、私たちの体に様々な悪影響を及ぼします。腸内に便が長時間滞留することで、腸内環境が悪化し、さまざまな健康問題を引き起こす可能性があります。

便秘が体臭に繋がる理由

便秘になると、腸内の善玉菌が減少し、悪玉菌が増殖します。悪玉菌は、腸内に溜まった便を分解する(=腐敗させる)際に、臭気物質(硫化水素、インドールなど)を生成します。これらの臭気物質は、腸壁から吸収され、血液中に流れ込みます。

血液に乗って腸から全身に運ばれた臭気物質は、汗や呼吸などを通じて体外に排出されます。これらの臭気物質が体外に排出される際に、独特の臭いを発生させ、体臭の原因となるのです。

つまり、便秘と体臭の関係をまとめると以下のようになります。

  1. 便秘→腸内環境悪化→悪玉菌増殖→有害物質生成
  2. 有害物質が血液中に吸収→全身に運ばれる
  3. 汗や呼吸などを通じて体外に排出→体臭に繋がる

便秘による体臭はどんな臭い?

便秘によって発生する体臭は、「生ゴミのような臭い」「アンモニアのような臭い」など、不快感を伴う悪臭に例えられることが多いです。体臭と同様に、口臭も強くなる可能性があります。

「便の臭い」と「体臭」はどう違うのか?

「便の臭い」と「体臭」は、どちらも腸内環境が乱れることで発生する可能性がありますが、その発生メカニズムが異なります。自分が気になっている臭いはどちらかを把握しておくとよいでしょう。

  • 便の臭い:腸内で便が腐敗することで直接発生する臭い。
  • 体臭:腸内で発生した有害物質が血液中に吸収され、汗や呼吸などを通じて体外に排出されることで発生する臭い。

便のような体臭は病気のサイン?

便の臭いは、私たちの健康状態のバロメーターとなることがあります。普段と異なる強い臭いや、異臭が続く場合は病気のサインかもしれません。

体臭として現れる便臭も同様です。

便のような体臭は、ただ不快なものではなく、私たちの健康状態を反映している可能性があります。普段と異なる臭いを感じたら、早めに医療機関を受診することが望ましいです。

腸閉塞

腸閉塞は、腸が何らかの原因で詰まり、便が通過できなくなる状態です。腸内に便が滞留することで腐敗(微生物による分解)が進み、強い悪臭を伴うことがあります。

腸内感染症

腸がサルモネラ菌や大腸菌といった病原菌に感染すると、下痢や腹痛などの症状とともに、悪臭を伴う便が出ることがあります。

過敏性腸症候群(IBS:Irritable Bowel Syndrome)

IBSは、明確な原因が特定されていない慢性的な腸の病気です。下痢型、便秘型、混合型など症状は様々ですが、悪臭を伴う便が出ることもあります。また、現在は医学的には認められていませんが、ガス型という症状の存在も示唆されています。

便秘が続くとどうなる?何日で危険?

便秘は、多くの人が経験する一般的な症状である一方、長引くと様々な健康問題を引き起こす可能性があります。

ここでは、便秘が続くと体にどのような影響が出るのか、特に体臭との関係や、放置した場合の危険性について詳しく解説していきます。

繰り返しになりますが、長期間便秘が続く場合は、早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けることが大切です。

数日から一週間で体臭が変化する可能性

前述の通り、便秘が続くと腸内に便が長時間滞留することで、悪玉菌が繁殖し、便が腐敗しやすくなります。この腐敗によって発生した臭気物質が腸壁から吸収され、血液中に流れ込み、最終的には汗や呼吸などを通じて体外に排出されます。これが体臭の原因となります。

一般的に、数日から一週間程度で体臭に変化が現れると言われています。個人差はありますが、便秘期間が長引くほど、体臭は強くなると言えるでしょう。

2週間以上の便秘と健康リスク

便秘を放置すると、体臭以外にも様々な健康リスクが考えられます。

  • 腸内環境の悪化: 善玉菌が減少し悪玉菌が増殖することで、腸内環境が乱れます。
  • 免疫力の低下: 腸内環境の悪化は、免疫力の低下にも繋がります。感染症にかかりやすくなったり、アレルギー症状が出やすくなったりする可能性があります。
  • 大腸がんのリスク増加: 長期的な便秘は、大腸がんのリスクを高めるという報告もあります。
  • 痔の悪化: 硬い便を出そうとすることで、痔が悪化したり、肛門裂孔が生じたりする可能性があります。
  • 栄養不足: 便秘によって、必要な栄養素が十分に吸収できなくなる可能性があります。
  • 精神的なストレス: 便秘が長引くと、イライラや不安感など、精神的なストレスを感じやすくなります。

便秘による体臭を防ぐための改善策

便秘による体臭を防ぐためには、食事、運動、生活習慣の3つの側面からアプローチすることが重要です。これらの対策を継続することで、腸内環境が改善され、体臭が改善する可能性が高まります。

食事

食事については、発酵食品、食物繊維、水分の摂取が有効と考えられます。

  • 発酵食品:ヨーグルト、キムチ、納豆などの発酵食品に含まれる乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌は、腸内環境を整え、便秘解消に貢献します。
  • 食物繊維:ごぼう、ほうれん草、リンゴなど、食物繊維が豊富な食品は、腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にし、便通の改善に貢献します。
  • 水分:水分不足は便秘の一因となります。こまめに水を飲むことで、便を柔らかくし、排便をスムーズにします。

運動

運動については、軽い運動やストレッチが有効と考えられます。

  • 軽い運動: ウォーキング、ヨガ、軽いジョギングなど、軽い運動は腸の蠕動(ぜんどう)運動を促し、便秘解消に貢献します。
  • ストレッチ: 仰向けになって膝を抱え込む、お腹をマッサージするなど、簡単なストレッチも腸の働きを活発にするのに貢献します。

生活習慣

生活習慣については、ストレスと睡眠不足の解消が有効と考えられます。

  • ストレス解消:ストレスは、自律神経のバランスを崩し、腸の働きを抑制する可能性があります。ストレスを溜めないように、リラックスできる時間を作りましょう。
  • 睡眠不足解消:睡眠不足は、ホルモンバランスを乱し、便秘を引き起こすことがあります。質の高い睡眠を十分とるように心がけましょう。

まとめ:便秘の解消が体臭対策に繋がる

最後までお読みいただきありがとうございます。

この記事では、便秘が原因となる体臭が気になる方に向けて、「便秘と体臭の関係と改善策」「病気との関係性」について解説しました。当たり前のように思えるかもしれませんが、便秘による体臭の改善策は、便秘を解消することです。

また、便のような体臭は、ただ不快なものではなく、私たちの健康状態を反映している可能性があります。普段と異なる臭いを感じたら、早めに医療機関を受診することも検討してください。

この記事が皆様のお役に立てば幸いです。

当サイト「体臭ラボ」を運営するオドレート株式会社は、世の中の体臭の悩みを解消すべく埼玉県の理化学研究所敷地内で体臭に関する研究開発を行っています。

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