
年齢を重ねてくると、加齢臭の他に口臭もきつくなってきて気になるものです。今までと同じように歯磨きをしているつもりでも、口臭は加齢とともに強くなってきます。そのため、口臭も加齢臭なのでは?と考える方も少なくありません。しかし、この2つの臭いの元はそれぞれ違います。今回は、口臭の原因や対策方法まで解説していきます。
目次
加齢臭と口臭は別ものだが、悪化する時期は一致
40代から発生し始めると言われている加齢臭ですが、これは加齢によって増えたパルミトレイン酸(皮脂中の脂肪酸)が酸化し、ノネナールという臭い物質に変化することで発生します。 一方、口臭も加齢によって強くなっていきますが、こちらは主に口内環境が悪くなることが原因であり、皮脂の酸化による加齢臭とは別物です。 加齢臭と口臭の原因はそれぞれ異なりますが、臭いが気になり始める時期は同じ頃であることが多いです。それでは、なぜ発生時期が加齢臭と重なるのかを、口臭の悪化原因と一緒にご紹介していきます。
加齢により口臭が酷くなる原因
年齢に関係なく、口臭は口内細菌の種類と量により変化しますが、加齢は不快な口臭が発生しやすい環境を作り出してしまいます。
ドライマウスによるもの
加齢は唾液腺機能の低下をもたらします。唾液には口内の汚れを流し清潔に保つ役割がありますが、年齢とともに唾液腺の分泌が減ってくると「ドライマウス」という抗菌作用の低下した状態となり、口内細菌が繁殖して口臭を発生させてしまうのです。
歯周病による臭いの発生
唾液の分泌が少なくなると細菌への抵抗力が弱まるため、歯周病を引き起こしやすくなります。睡眠中や空腹状態の時、口内が乾いていると除去しきれなかった歯垢(プラーク)で細菌が増殖。そのあと歯肉、歯へと細菌が感染し歯周病になるのです。歯垢で生成された揮発性硫黄化合物がガスを発生させ口臭を強くしてしまいます。
人工物による臭い
加齢とともに虫歯になり、銀歯やインプラントなど人工物で補修した部分がある場合、裏側で菌が繁殖して、口臭の原因となることがあります。
口臭のセルフチェック
加齢による口臭は、自分ではなかなか気づきにくいものです。家族など親しい間柄であれば、口臭を指摘してくれることもありますが、あらかじめ知っておきたい人はセルフチェックをしてみることをおすすめします。 40代を過ぎたら、以下のセルフチェックをしましょう。
- 唾液を指でぬぐってチェックする
- 手で口を覆って息を吐いたり、ポリ袋の中へ息を吐いたりした後にチェック
- 口臭チェッカーを使う※口臭チェッカー(ブレスチェッカー)は3000円程度で購入できます。
口臭の改善方法
セルフチェックをしてみて自分に口臭があることが分かったら、以下の改善策を試してみましょう。
改善方法①口内環境を整える
定期的に歯科検診に通い、補綴物のメンテナンス、歯周病の早期発見や治療を行うなど、口内環境を整えましょう。歯医者さんでケアをしてもらったら、自宅で歯磨きや舌磨きをしっかり行い維持することも大切なポイントです。 歯間ブラシやデンタルフロスの使用に慣れると、口腔内環境の維持が楽になります。歯の生え際のブラッシングも行い、歯周ポケットに歯垢を残さないようにしましょう。
改善方法②唾液の分泌量を増やす
唾液の分泌を増やすと口腔内の乾燥予防になりますので、口臭の改善に繋がります。
まとめ
加齢臭と口臭が気になり始めるのは40歳を過ぎる同時期ではありますが、その原因は異なりますので、そこに直接的な関係性はありません。ただ、口臭は年齢を重ねるごとに悪化していきますので、ニオイが気になり始めたら、その原因を突き止めて適切に対処することが大切です。
▼口臭の強さに関しては他にも原因が…。詳しくはこちらで紹介しています。