「加齢臭って背中から発生するの?」
「加齢臭は腕から発生するの?」
どこから加齢臭が発生しているのかわからないけれど、知人に確認してもらうことに抵抗がある…という方に向けてこの記事を書きました。
体には加齢臭が発生しやすい部位と発生しにくい部位があるため、加齢臭の発生場所を知り、適切な対策方法へと繋げることは大変重要です。
本記事では、理化学研究所敷地内の研究施設で体臭研究をしつつ、これまでに2,000人以上の体臭評価・アドバイスを行ってきた臭気判定士(においに関する唯一の国家資格)の石田翔太が「加齢臭がどこから発生しやすいのか」について徹底解説します。
加齢臭が発生しやすい7つの場所と発生しづらい場所、部位別に発生しやすいその他の体臭、部位別の加齢臭対策方法をご紹介しますので、最後まで読んでいただけると幸いです。
▼加齢臭に関して詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
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加齢臭はどこから発生する?
加齢臭には、30代頃から発生する「ペラルゴン酸」と40~50代頃から発生する「ノネナール」の2種類があります。
このような加齢臭の原因物質「ペラルゴン酸」や「ノネナール」は共に皮脂の酸化が発端となり発生します。そのため、皮脂腺が多くある部位から加齢臭が発生しやすいのです。
加齢臭はどこから発生しやすい?
皮脂は皮脂腺から分泌されます。そのため、皮脂腺が多くある頭・首の裏・胸・お腹・背中から加齢臭が発生しやすい部位です。
また、皮脂が付着した衣服や寝具からも加齢臭が発生します。
加齢臭が発生しやすい部位/場所7選
- 頭
- 首裏
- 胸
- 腹
- 背中
- 何度も着用した衣服
- 寝具(特に枕)
加齢臭はどこから発生しにくい?
加齢臭が発生する可能性がほとんどないのは、皮脂腺が少ない口や手のひら、足裏、四肢です。
加齢臭が発生しにく部位/場所
- 口
- 手のひら
- 足裏
- 四肢
加齢臭かどうかを発生部位から確認する方法は?
「加齢臭がどこから発生するかはわかったけど、他の体臭の可能性は…?」と疑問に思った方も多いでしょう。本項では、加齢臭と発生しやすい部位/場所が共通するその他の体臭をご紹介します。
どこから発生するかで加齢臭かどうかを確認する
ご自身が感じている体臭が加齢臭かどうかは発生部位から予想できます。しかし、他の体臭の可能性があったり、複数の体臭が同時に発生している可能性もありますので、発生部位と臭いの特徴を合わせて確認しましょう。
「加齢臭かも?」とまだ確信を持てていない方は他の体臭の可能性も疑ってみましょう。
自分で臭いの特徴を確認する方法は?
部位別の体臭の特徴を確認する前に、臭いの確認方法を確認しましょう。
ご自身で体臭の特徴を確認する方法には、「ガーゼを10分間皮膚に当てて体臭を確認する方法」と「衣服や寝具などから確認する方法」の2種類があります。
どちらも、ご自身で確認する場合には、意識的にニオイを確認するため、実際よりも強く加齢臭を感じてしまうことがありますので、ご注意ください。
▷下記の記事で「ガーゼで確認する方法」と「衣服などから確認する方法」を詳しく解説していますので、正確に確認したいという方はご活用ください。
▼加齢臭が自分でわかる方法に関して詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
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頭皮から発生する体臭は?
頭皮から発生する体臭は、汗臭とミドル脂臭、加齢臭です。
- 汗臭
酸っぱい臭い、雑巾のような臭い - 加齢臭
枯草や芝生のような臭い、カメムシを触った際の臭い - ミドル脂臭
絵具のような臭い、ビタミン剤のような臭い
首裏/背中/胸/腹部から発生する体臭は?
首裏/背中/胸/腹部から発生する体臭には、汗臭やワキガ臭、加齢臭、ミドル脂臭があります。
- 汗臭
酸っぱい臭い、雑巾のような臭い - ワキガ臭※脇や乳首のみ
スパイシーな臭いやカビのような臭い、鉛筆の芯のような臭い - 加齢臭
枯草や芝生のような臭い、カメムシを触った際の臭い - ミドル脂臭
絵の具のような臭い、ビタミン剤のような臭い
衣服/寝具から発生する体臭は?
衣服から発生する体臭は、汗臭とワキガ臭、加齢臭、ミドル脂臭です。いずれも、新品の衣服からは発生しづらく、何度も着用した衣服から発生しやすい体臭です。
- 汗臭
酸っぱい臭い、雑巾のような臭い - ワキガ臭
スパイシーな臭い、カビのような臭い、鉛筆の芯のような臭い - 加齢臭
枯草や芝生のような臭い、カメムシを触った際の臭い - ミドル脂臭
絵の具のような臭い、ビタミン剤のような臭い
その他の加齢臭かどうかを確認する方法は?
前項では、発生部位と臭いの特徴から体臭を特定する情報をご紹介しました。ただし、複数の体臭が混ざり合うことによって、複雑な体臭となっていることもあります。
本項では加齢臭かどうかを確認する他の方法をご紹介します。
加齢臭はいつから発生する?
加齢臭の原因物質には「ペラルゴン酸」と「ノネナール」があり、どちらも皮脂の酸化によって発生しますが、発生時期は異なります。
「ペラルゴン酸」の場合は30代以降、「ノネナール」の場合は40~50代以降に次第に発生し始めます。
20代頃から加齢臭が発生する可能性は極めて低いので、20代の方の場合は他の体臭を疑いましょう。
例えば、ワキガ臭や汗臭はどの年代からも発生する可能性があります。
専門家に確認してもらう
ご自宅で専門家による体臭評価が受けられるサービスがあります。
体臭評価キットオドレートを使用すれば、24時間Tシャツを着用し、それを郵送するだけで、後日メールで専門家が評価結果を教えてくれます。
人間の嗅覚(臭気判定士の資格保有者)と分析機器による確認によって、科学的に体臭を確認することができ、適切な対策方法を知ることができます。
▶▷気になる方は下記のサイトをご確認ください。
どこから発生するかで加齢臭対策を決めよう
最小限の努力で、加齢臭対策をするためには、部位別に加齢臭対策を行うことが重要です。
本項では、部位別の加齢臭対策法を紹介しますので、気になる箇所のニオイ対策方法をご確認ください。
頭皮から発生する加齢臭の対策方法は?
頭皮から発生する加齢臭の対策方法には下記の3種類があります。
- 低刺激の頭皮に優しいシャンプーで洗う
- シャンプーやリンスの流し忘れをしない
- 日焼け対策を行う
①低刺激の頭皮に優しいシャンプーで洗う
外出時に頭皮の加齢臭対策を行うことは難しいため、日頃から頭皮にある不要な皮脂を取り除くことが重要です。
毎日の入浴時に、十分にシャンプーを泡立て、指の腹で優しく洗うようにしましょう。力を入れて洗うと、頭皮を傷つけ、加齢臭の悪化に繋がりますので、優しく洗うことが大切です。
②シャンプーやリンスの流し忘れをしない
シャンプーやリンスの流し忘れは、肌荒れの原因となり、加齢臭の原因となる皮脂の分泌を促すことがあります。
特に、髪の毛を洗い流すことに集中しすぎて、流された石鹸/リンスが首裏や背中に残りやすいです。そのため、必ず流し忘れがないかを確認しましょう。
③日焼け対策を行う
皮脂は加齢臭の原因ですが、肌を保湿する役割を担っています。そのため、日差しによって頭皮が傷つくと、肌を守るために皮脂の分泌が促されます。
皮脂の分泌が促されれば、加齢臭を悪化させてしまいます。頭皮に使用できる日焼け止めスプレーを使用したり、帽子をかぶるなど日差しから頭皮を守る対策が重要です。
首裏/背中/胸/腹部から発生する加齢臭の対策方法は?
首裏/背中/胸/腹部から発生する加齢臭の対策には下記の6種類の方法があります。
首裏/背中/胸/腹部の加齢臭対策方法6選
- 低刺激のボディソープで優しく洗う
- 湯船につかる
- 石鹸の流し忘れを気を付ける
- デオドラント用品を使用する
- 保湿クリームを使用する
- 日差し対策をする
①低刺激のボディソープで優しく洗う
加齢臭の原因は皮脂ですので、日頃から体に着いた不要な皮脂を取り除くことが重要です。
毎回の入浴時に、ボディソープを十分に泡立て、優しく洗うようにしましょう。力を入れて洗うと返って、肌を傷つけ、加齢臭の悪化を招く可能性がありますので、ご注意ください。
②湯船につかる
皮脂には油分が含まれているため、湯船につかることで不要な皮脂が落としやすくなります。
シャワーで済ますのではなく、時間がある時には湯船につかるようにしましょう。
重曹を使用することでより皮脂が落としやすくなります。※加齢臭の原因は皮脂ですが、過剰に肌から皮脂を取り除くと、肌荒れに繋がりますのでご注意ください。
③デオドラント用品を使用する
デオドラント用品を使用することによって、加齢臭の原因である皮脂と既に発生している加齢臭を取り除くことができます。
シートタイプやスプレータイプ、クリームタイプなど様々ありますので、生活や好みに合わせて選択してください。
④保湿クリームを使用する
肌の乾燥によって、加齢臭の原因である皮脂分泌が促されてしまいます。乾燥する前に、保湿クリームなどで保湿するようにしましょう。
特に冬場など乾燥しやすい時期は念入りに行うことが重要です。
⑤日差し対策を使用する
日差しによって肌が傷つき、加齢臭の原因である皮脂の分泌が促されてしまいます。外出時には、日焼け止めや日傘を活用するようにしましょう。
そして、日焼け止めを使用した際には、日焼け止めが肌荒れの原因とならないように石鹸やクレンジングで落としましょう。
衣服/寝具から発生する加齢臭の対策方法は?
加齢臭の原因は皮脂であるため、衣服に付着した皮脂からニオイが発生することがあります。そのため、日頃から衣服に着いた皮脂を取り除くようにしましょう。
衣服から発生する加齢臭の対策方法は下記の4種類です。
- 脱衣後すぐに洗う
- 酵素入りのアルカリ性洗剤を使用する
- 消臭スプレーを使用する
- 衣服を買い替える
皮脂には油分が含まれているので、通常の洗濯では十分に落とすことができない場合があります。
①脱衣後すぐに洗う
皮脂には油分が含まれているため、冷えると洗濯で落としづらくなってしまいます。そのため、脱衣後の衣服が体温で暖かくなっているうちにすぐに洗濯をしましょう。
もし、すぐに洗濯できない場合にはぬるま湯で洗うのも有効です。その際はラベルの洗い方を必ず確認しましょう。
②酵素入りのアルカリ性洗剤で洗う
皮脂は弱酸性ですので、アルカリ性洗剤を使用すると効率的に皮脂を落とすことができます。
また、酵素系洗剤であると、皮脂を分解してくれるので、更に効果的に皮脂を落とすことができます。
③消臭スプレーを使用する
消臭スプレーを使用することによって、既に発生している加齢臭を消臭することができます。
ただし、皮脂を取り除かなければ、根本的な解決にはなりませんので、洗濯方法も併せて見直しましょう。
④衣服/寝具を買い替える
どんなに丁寧に衣服を洗濯しても、衣服には加齢臭の原因となる皮脂が蓄積していきます。そのため、何度も着用した衣服から加齢臭が発生するのは当然です。
何度も洗濯しても加齢臭がとれない場合には、買い替えも検討しましょう。
【まとめ】加齢臭はどこからにおう?
- 加齢臭の原因物質は「ペラルゴン酸」と「ノネナール」の2種類あります。
- 加齢臭の原因物質はどちらも、皮脂が発端となり、発生します。
- 加齢臭は、頭・首の裏・胸・腹部・背中・何度も着用した衣服/寝具から発生する可能性が高いです。
- 加齢臭が気になる部位別に有効な対策を実行しましょう。
▼加齢臭に関して詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
「自分の加齢臭が気になって、知人と会う時に不安を感じる」 「そもそも、加齢臭って何?」 「加齢臭の原因は生活習慣のせいなの?」 加齢臭を気にしすぎるあまり日常生活が不安ばかりになっている方がいると思います。 しかし、原因を理解せず、闇雲に対[…]