- 自分の体臭を治療するには、どの病院、何科に行けば良いか分からない……
- 体臭について外来受診したいけれど、どんな治療が受けられるの?
この記事を見つけてくださった方の中には、このような疑問や不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
自分の体臭が気になるものの、自分一人で臭いを判断するのは難しいです。
いくつかの病院や診療科では体臭の診察を受け付けており、体臭の知識を持った医師が診察・治療をしてくれます。しかし、自分の悩みや症状と合っていなければ、せっかく病院に行っても満足のいく治療を受けることはできません。
本記事は、理化学研究所敷地内の研究施設で体臭研究をしつつ、これまでに3,000人以上の体臭評価・アドバイスを行ってきた臭気判定士(においに関する唯一の国家資格)の石田翔太が「体臭を治すための最適な病院/診療科の選び方」、「体臭の専門外来」、「病院で実際に受けることができる治療」について解説します。
体臭が気になる人が外来受診できる病院/診療科
ご自身の体臭が気になる際は、病院で治療してもらうことが可能です。ただし、体臭に関する外来受診を受け付けていない病院も少なくありませんので、まずは気になる病院のHPを見てみると良いでしょう。
一般的に、体臭は下記の病院/診療科で治療が可能です。
ただし、自分の悩みや症状に適した病院/診療科を受診しなければ、正しい治療を受けることは難しいです。ご自身の症状を正しく把握し、慎重に病院を選びましょう。
▼気になる病院/診療科があれば、下記の項目をタップして、確認してください。
体臭を皮膚科で治療するケース
以下のような部位からの体臭が気になるケースは、皮膚科を受診すると良いでしょう。
皮膚科での診察が適している部位
- 頭皮や額(多汗症)
- 胸(チチガ)
- わきの下(ワキガ・腋臭症、多汗症)
- 手足(多汗症)
皮膚科の場合は、診療内容にワキガや多汗症を診療項目に掲げている医療機関を選ぶことが大切です。体臭の分野に詳しい在籍医師が多い医療機関は、体臭の悩みを解決するうえで大きな助けとなってくれるからです。
また皮膚科では、下記のような治療を受けることができます。
皮膚科で受けることができる治療
- 軽度の体臭の治療方法 → 外用薬(制汗剤など)の処方、汗を止める働きがあるボツリヌストキシンの皮下注射(ボトックス注射)
- 重度の体臭の治療 → 手術やレーザー治療による汗腺除去治療
ワキガ・多汗症手術は、保険適用される手術もありますので、信頼できる医療機関で適切な治療を受けましょう。
体臭を内科で治療するケース
「(脇や頭皮といった特定の部位ではなく)全身から発せられるにおい」が気になるケースは、内科を受診すると良いでしょう。
「多汗症の可能性が低い方」や、「既に医療機関でワキガや多汗症ではないと診断された方」は、臭いの原因が胃腸や肝臓・腎臓の不調にあるかもしれません。
内臓由来の体臭の場合は、直接的に体臭を抑えるわけではなく、その原因となっている内臓の不調に対する治療を受けることになります。
口臭が気になる人は口腔外科か口臭外来へ
自分の口の臭いが気になる場合は、口腔外科や口臭外来を標榜している歯科へ行きましょう。
口臭が強い原因の9割は虫歯や歯周病といった口の中の環境によるもので、残り1割が糖尿病や肝臓、呼吸器などの内臓の不調(が口臭として現れること)によるものであると言われています。
口の中の環境が原因で起こる口臭は、口腔外科や口臭外来で以下のような治療を受けることができます。
口腔外科や口臭外来で受ける治療
- 口臭外来を儲けている歯科や口腔外科は、口臭測定器で吐息を検査し、含まれている物質の濃度を測定分析することで原因を特定する。
- その原因が歯科的に治療できる場合は治療を行う。それ以外にも正しいブラッシングの仕方など、生活指導も含めて口臭予防のサポートを受けることができる。
また、内臓の不調が原因で起こる口臭の場合は、前項の体臭を内科で治療するケースを参考にしてください。
精神性発汗や自臭症が気になる人は心療内科か精神科へ
体臭は「精神性発汗」が原因で起こる可能性もあります。精神性発汗とは、緊張したりストレスを感じた際、大量の汗が出る症状のことです。
また、何らかの理由により自分の体臭を過度に気にするようになってしまったものの、実際には強い臭いを発していない「自臭症」と呼ばれるケースもあります。自臭症は、「自己臭恐怖症」や「自己臭症」「嗅覚関連づけ症候群」とも呼ばれます。
精神性発汗や自臭症に心当たりがある場合は、心療内科や精神科の受診が望ましいと考えます。
体臭について病院で相談したい!実際あったケースを解説
ここでは、弊社が提供する「体臭の郵送検査キットodorate(オドレート)」のお客様とやり取りをさせていただく中で、筆者が実際に病院を受診することをお勧めしたケースをご紹介します。
もし体臭について病院で相談したいとお考えの方で、以下のケースと近い状況であれば、それぞれの診療科を受診すると良いかもしれません。ぜひご参考になさってください。
皮膚科をおすすめしたケース
20代男性の方です。中学生の頃から脇のにおいが気になっていたものの、「しっかりとデオドラント製品を使えば周りからワキガと思われない」と思い過ごされていました。
しかし、長年デオドラント製品を使用するなかで、「時々朝忙しくてデオドラントが使えないことがある。そんな日は生きた心地がしない」「毎日しっかりとデオドラント製品を使うことが面倒くさい」と考えるようになったそうです。
そこで、必要な場合はワキガ治療を受けることを念頭に、自分が本当にワキガかどうか、デオドラント製品を使わないと周りの人からワキガだと思われるのかどうか、を確認するために検査キットを利用されました。
結果は、ワキガ体質である可能性が高いというものでした。この結果を受けて、「今の状態だとデオドラント製品は必要だが、毎日使うのは面倒くさいからワキガ治療を受けたい」と仰ったため、ご希望の治療方法などを伺ったうえで筆者は皮膚科をご紹介しました。
精神科をおすすめしたケース
30代女性の方です。学生時代に教室で、同級生から大勢の前でにおいを指摘されたことがきっかけで体臭を気にされるようになりました。それまではご自身の体臭を気にしたことはなかったそうですが、それ以来、自宅にいる時以外は臭いと思われることの恥ずかしさや申し訳なさを感じておられ、特に人との距離感が近いときは極度の緊張状態になっていたそうです。
自分の体臭が強いことを前提とし、原因と適切な対策方法を知るために検査キットを利用されました。
しかしながら、結果は「体臭は強くない」というものでした。その方は検査結果に納得がいかず期間を空けて再度検査を受けられましたが、2回目の検査結果も「体臭は強くない」というものでした。
2度の検査結果を受けて、「少なくとも今の体臭はそれほど強くない可能性が高いことを頭では理解できた。ただ、学生時代の辛い記憶が残っていることや、それ以来10年以上「自分は臭い」と思って生きてきたことから、「自分は臭くない」という事実を心や体が受け付けないような感覚があり、日常生活での不安がそれほど解消しない」と仰いました。
筆者は心理学に詳しくありませんが、上記のやり取りを踏まえて、現状の問題は少なくとも体臭ではなく、脳や心にある可能性が高いと考え精神科や心療内科の受診をおすすめしました。
「体臭と病院」に関してよく頂く質問
ここまでお読みくださりありがとうございます。
以上で、「体臭と病院」に関する基本的な内容の説明が終わりました。
しかし、ここまでお読み頂くなかで、追加で生じた質問もあるかと思います。そこで本項では、「体臭と病院」と関連して私たちがよく頂くご質問と回答をご紹介します。
体臭の専門外来はありますか?
私たちの知る限り、体臭の専門外来はありません。
その原因は、1つの診療科で大勢の専門医を抱えることが現実的ではないという点にあると考えます。既にお伝えした通り、体臭関連の診察を行う診療科は皮膚科・内科・口腔外科・口臭外来・心療内科・精神科と多岐にわたるためです。
そのため、体臭について外来受診する際は、各医院の診療内容や在籍医師を確認し、ご自身の症状や悩みと照らし合わせて、「自分はその病院で適切な治療を受けることが可能か?」を見きわめることが重要です。
体臭の病院はどこですか?何科に行けばいいですか?
体臭の治療を受けたい場合は、以下のような病院/診療科が第一候補になります。ご自身の悩みや症状に合わせて適切な診療科を選びましょう。
体臭は治療できますか?
体臭は、適切な病院や診療科を受診することで治療可能です。前述の通り、ご自身の悩みや症状に合わせて適切な診療科を選びましょう。
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体臭の郵送検査キットを活用しよう
受診する診療科を選ぶ際の1つの判断材料として、自宅で簡単に自分の体臭がチェックできる体臭の郵送検査キット「odorate(オドレート)」の利用もおすすめです。
1日着た検査用のTシャツを返送するだけで、結果がメールで届きます。
苦痛を伴う検査や通院などは一切無く、郵送された体臭サンプルは臭気判定士(国家資格)や分析装置によって行われます。
自分の体臭が他人からどのように思われているのか、どんな種類の臭いなのかなど細かく判定されます。
一方、実際には体臭がないのに、自分の臭いが気になって仕方がないという人もいます。
これは「自臭症」と呼ばれるメンタル不調の可能性があります。
必要以上に体臭を気にしすぎると、自分の臭いが気になってしまい良好な対人関係がつくれなくなり、気分が落ち込んでしまう人もいらっしゃます。
その場合は一度、心療内科や精神科を受診してみることをおすすめします。
しかし、いきなり心療内科や精神科の受診は敷居が高いと感じる人もいるでしょう。
自分は臭いと思い悩んでいた人が、「odorate(オドレート)」で「気にしすぎ」だったことがわかり、その後体臭を気にせず安心して社会生活が送れるようになったケースもあります。
いきなり病院に行くのは抵抗があるという方は、「odorate(オドレート)」を試してみてはいかがでしょうか。
まとめ:自分の体臭を知って適切な病院/診療科への受診を
最後までお読みいただきありがとうございます。
この記事では、「体臭を治療するための病院/診療科の選び方」や「体臭の専門外来」「病院で実際に受けることができる治療」に関して解説してきました。
体臭は、適切な病院や診療科を受診することで治療可能です。体臭について外来受診する際は、各医院の診療内容や在籍医師を確認し、この記事の内容とご自身の症状や悩みを照らし合わせて、「自分はその病院で適切な治療を受けることが可能か?」を冷静に見きわめるようにしましょう。
また、必要以上に体臭を気にしすぎるのも良くありません。「病院に行くのは、ハードルが高いな…」と感じる場合は、一度「odorate(オドレート)」でご自身の体臭を分析してみることもおすすめです。
本記事が皆様のご不安解消のお役に立てば幸いです。