
強い体臭は、「汗のかきすぎ」が原因となっていることがあります。このような多汗症状は、漢方を使って症状の改善が期待できるということをご存知でしょうか?さらに、漢方を摂り入れるのと同時に健康的な食事を心がけることで、多汗による体臭を和らげることができると考えられているのです。
今回は多汗に効果的な漢方3種類と、体臭予防に効果的な食事についてご紹介します。
漢方とは
そもそも漢方とは、病気に合わせてというよりは、その症状に対して調合され処方される薬です。「同病異治」という言葉がありますが、西洋医学では同じ病気に対して決まった薬が処方されるのに対して、漢方ではその症状や体質に合わせて違う薬が出されるのです。
このように、病気を治すというよりも、「体質不良をしっかりと改善していく」という方向性で漢方が用いられることは多くあります。体臭も体調不良の一つと見なされるため、漢方治療は臭いの改善に効果的だと言われているのです。
汗や多汗に効く漢方
体臭の最大の原因ともいえる「汗」には、漢方による抑制効果が見込めます。
もともと多汗症体質の方だけでなく、急に汗の量が多くなり体臭が気になり始めたという方にもオススメできる漢方を3種類ご紹介していきます。
衛益顆粒(えいえきかりゅう)
空調が効いている部屋にいても汗がダラダラ出る、暑い季節に布団が湿るほど寝汗の量が増えたという方は、体の免疫力が下がっている可能性が考えられます。
衛益顆粒の「衛」は「守る」という意味であり、現代医学の免疫力にあたる「衛気」を向上させることで、汗をコントロールしていきます。花粉症体質や皮膚の弱い人に向いている漢方でもあります。
白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)
白虎加人参湯は、以下のような方に向いている漢方です。
- 熱中症により体内に熱がこもる
- 急性感染症などで急な発熱に伴い体内の熱がなかなか出ていかない
- 更年期障害によるホットフラッシュで上半身がほてり、脱水症状まではいかずとも、口が乾いたり汗をかいたりしやすい
体内の熱に伴う汗を鎮静化させ、体調を整えてくれる効果が期待できます。
四物湯(シモツトウ)
女性の体調はホルモンバランスに大きく左右されるものです。エストロゲンが減少する生理前には汗をかきやすく、同時にプロゲステロンが増えることで便秘気味になる傾向があり、体臭がきつくなると言われています。
四物湯はこれら2大女性ホルモンであるエストロゲン、プロゲステロンのバランスを整え、PMS症状を緩和するので、結果として体臭改善も期待できる漢方です。
同時に食事を改善することが重要
体臭予防のためには、漢方を摂り入れながら、同時に食生活の改善も意識しましょう。
大量の汗をかくと、水分や老廃物だけでなく生命維持に不可欠な電解質も体外へと流れ出てしまいます。マグネシウム・ナトリウムなどのミネラルが不足すると、神経系の臓器に悪影響を及ぼすことが分かっており、メカニズム的にかえって発汗が促進されてしまうことになるのです。
また、肉類中心の食事でたんぱく質を摂り過ぎることも、発汗促進に繋がります。
野菜をたくさん摂り、ミネラル不足やたんぱく質の過剰摂取に気を付けることが大切です。
まとめ
漢方とは体調不良に効果が望める薬であり、体臭は漢方の世界で「体調不良」の一つとして認識されているため、体臭改善にも漢方は効果が高いと言われています。
漢方はその種類によって料金が変動しますが、一般的には1ヵ月に数千円の予算を考えておくと良いでしょう。
病院で処方してもらえれば、保険も使える上に、自分の体質や症状に合った種類の漢方を服用することができます。
また、漢方の服用と同時に食事の見直しをすることも大切です。さまざまな対策を併用して、体臭対策をしていきましょう。
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