日本人は外国人に比べ、体臭はそれほど強くないとされていました。
しかし、近年食生活が欧米化してきたために体臭が強くなってしまう傾向にあります。
加えて、国内では「香害」というワードが飛び交うようになり、臭いに関する問題意識も高まり敏感になってきています。
このようなことから「日本人にワキガ体質が増えている?」と思われている方も少なくありません。
今回は、日本人と外国人の臭い・文化の違いから、ワキガのような強い臭いになってしまう原因など紹介します。
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極東アジア人は体臭が弱めの傾向
「体臭が強い」あるいは「弱い」という場合、そのニオイが不快かどうかは別として、他の人との比較において強く臭うか、ほとんど臭わないかという違いがあります。
人種や国が違えば、そのニオイの強さをはかる感度も異なるようです。
一般的には日本人を含む極東アジア人は総じて、ヨーロッパ人種やアフリカ系人種よりも体臭は「弱い」とされています。
食文化・生活・遺伝によって体臭は変化する
体臭の強さは、先祖から代々受け継いできた遺伝体質(染色体)によりますが、その体質はその国や人種間で長年続いてきた食文化・食生活に原因があるようです。
魚や野菜中心で脂質の少ない食生活が続いてきた日本に比べ、西洋人は牛・豚・鶏などの家畜肉のほか、ジビエやゲームと呼ばれる野生鳥獣の肉など脂質の多い食品を好んで食べてきました。
脂質は臭いの元となる成分であり、汗を分泌させるアポクリン腺の活動を刺激してしまいます。
そのため、もっともワキガ体質が多いのはアフリカ系人種でほぼ10割、ヨーロッパ系人種では7~8割とされています。
日本では1割、約10人に1人の割合で存在しているといわれています。
お国柄・人種の違いでニオイの感じ方が違う
ニオイに敏感な日本人
日本人は和食中心の食生活からか、そもそもワキガ体質になる可能性は西洋人に比べて少ないとされています。
しかし、日本人ならではのニオイの感じ方が「臭いが強い」「ワキガではないか?」という悩みや問題につながっている可能性があります。
日本人はもともと室町時代に確立した「香道」が現代まで続いているように、匂いや香りに対する嗅覚の感度(センサー機能)が高い人種です。
現在のようなお湯に浸かる方式の入浴習慣がなかった平安時代には、それなりに体臭も洗い落とせずに残っていました。
そして、それを隠す意味もあり、衣類や頭髪などに香をたきこむことが貴族の間で流行しました。
また、匂いや香りをヒントに和歌を詠む文化も始まり、やがてそれは「香道」という形で一般庶民にまで広がることとなります。
こうした文化が発展した背景には、匂いに対する意識や関心の高さがあったためと考えられています。
ニオイはその人の個性と割り切る諸外国
その一方で、ヨーロッパ・アフリカ系の人種が多い地域や国ではワキガ体質である率が高め。
個人差はあれども、多くの人がそうであるため、それをむしろ個性ととらえて、アロマオイルと自分の体臭をブレンドする香水文化が発展してきました。
体臭に寛容で、香水と合わせて“いい匂い”に変えているため、体臭による「スメルハラスメント」という課題や悩みは日本人よりはあまりないようです。
食生活から臭いの悪化を防ぐ方法
日本人のワキガ体質の割合は少ないものの、ニオイに敏感なため「ワキガでないか」「臭いが強くないか」ということにとらわれがちです。
しかし、遺伝的体質にプラスして食生活が体臭に強い影響を与えていることは先に紹介した通りです。
ここでは、体臭が気になっている人へ向けた臭い対策をご紹介します。
注意したい食べ物
肉類でも脂質の多いものや、チーズやバターなど乳製品の取り過ぎに気を付けましょう。
これらの食品には動物性脂質が多く含まれており、臭いの元となる成分を分泌させるアポクリン腺を刺激し、臭いを悪化させます。
ランチで肉料理を食べた日は、夜食は肉類・乳製品を避け、その他のたんぱく質である魚介類や繊維質の野菜などの食品を摂るなど、食事内容を意識しておくといいでしょう。
体臭対策になる食べ物
意識して摂りたい食品は、オリーブオイルといった植物性由来の脂質や梅干し、わかめなどのアルカリ性食品です。
その理由は、私たちの体が弱アルカリ性に保たれていれば、血流も良好となり、臭い物質を産出しにくくなるためです。
食物は体内に入ると分解されるので、そのままアルカリ性を維持するわけではありませんが、体が酸性に傾くことを避ける効果はあるということです。
また、緑茶や酢など、体臭を和らげる効果が期待できる食べものを積極的に取ることも心がけたいポイントです。
まとめ
体臭は遺伝体質なので当たり前に発生するものですが、欧米化による食生活の変化でワキガ体質の人口増加に少なからず影響を与えているようです。
しかし、食事内容を改善すれば臭いの強さも軽減できるでしょう。
また、ワキガ体質の疑いがあれば、ワキガ専門のクリニックで相談して、必要であれば治療を視野に改善していくことをおすすめします。
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